E X艇のレース場を制する調整とテクニック

私達のレース場ではX艇とカタマラン艇の2部門でレースを展開しているので、船の調整についてはレース場オープン以来1年間走航期間を経過し、多くの事を経験し、それぞれのアイディア、工夫、調整法などを学び、その難しさの中から楽しみを満喫する『はまってしまった』とみなさんが熱中する面白さを生み出すことができました。

ここで調整とテクニックについて考えてみます。
限られたコース水面内でのヒートレースの中でスピード、ダッシュ、高速急施回、耐波性、エンジンの安定性をすべてクリヤーした船の走航をみていると速いばかりではなく、水面をすべる様に安定しているのは一目瞭然です。

★次の様な走りの船は20周(約5km)をヒートレースで完走できる船ではないことを知ってほしいのです。

このことはどの様な場所の水面でも変わりはない事だとおもいますので1つ1つクリヤーしていくしかありません。
@ピッチング(ポーポイズ)気味で走っている船
A軽いローリング気味で走っている
Bスピードに乗っているが頭上げ気味で接水面が非常に少ない
C高速施回時の安定性に欠けている

≪対処法≫

@ピッチング(ポーポイズ)・・・エンジンがハイセットされているための失速現象ですので、エンジンの取付位置を下げてスクリューの推進線を下げていくことと、スクリューも変えてみることかと思います。
Aローリングをおさえる・・・船体がリフトしている良い結果ですが転倒しやすいので@とは逆にエンジンのセット位置を上げていってみることとフラップの取付け位置、大きさを変えてみる
・・・走航時の接水面を観察してみると判断できるはずです。
B頭上げ気味(接水面が少ない)・・・エンジンの推進角(けり上げ)調整をする必要があるとのことです。

★重心位置が適格でない船は推進角調整で安定は保てませんので船首にウエイト(約30g位)を両面テープではり付けて走ってみると判断できるはずです。
C安定した高速急施回・・・これについては@からBを順追ってクリヤーした上でターンフィン(安定板)の大きさ、曲げ角、さげ角、調整で様子を見ることかと思います。

★おどろきの高速急旋回と安定性を生み出す!

6月13日開催のシリーズチャンピオン第2戦のために土曜日の走航調整で@〜順追って調整していってみた結果おどろきの安定性を生み出すことができたのです。
フルパワー直進走航からパワーをぬかずに左カジを一気に打ち込んでみたらアウト側にゴツゴツと飛びはねを起こしていた船が左にカクンとかたむきスピン(巻き込み)をする様になっていたのです。

そこで安定フィンの下げ角が浅かったので穴加工、いっぱいに下げて再度走航・・・フルパワーのまま第一ターンマーク(90°変換)で一気に左カジを打ってみると、まるでカタマランターンではないか・・・!左にすい込まれる様にカクンとかたむいて半径2m以内で旋回していってしまうではないか。
これはおどろきです。

★カタマランに近い旋回性が達成できる!

これならイケル!と明日への期待がふくらんだ一瞬です。
第2戦は台風6号の影響で強風の中@ラウンドAラウンドともに余裕のトップを取ることが出来、船さえ仕上がれば年寄りの私でも勝てることが立証でき自信を持ってこの記事を書いているのです。

@ラウンドでは宙返り1回、Aラウンド目はロール1回ありアッと声を出す程でしたが20周約5Kmをトップのまま完走、記事を書いている私の苦労を天がすくってトップを与えてくれたのかな・・・と思う私です。

上位3〜4艇はいつもダンゴ状態でのせり合いですから第1ターンマークを制した者がトップのカギとなります。
◎調整法の1つとして前回紹介した大里流安定フィンの取付け法をぜひテストしてみて下さい。

★走航テクニック

@直進走航での追抜き法
写真@で見る様に先航船の引き波をクリヤーして追抜きを仕掛ける場合は下図の示す

@Aの船の引き波の間の後に入りもしくはロニホの引き波をクリヤーして追抜きをすることになるのですがの合流波ははね上げ力の強い△波となっているのでパワー走航で乗り上げると転倒する危険な波となっています。

Aターンマーク(コーナー)での追抜きについて

今までのレースにおいて旋回時での転倒が少ないのは先航船との同じコースを走るか引き波をはずしてのコース取りをするテクニックはおのずと身についているからですが、先航船が通り過ぎてさざ波状態のコーナーでのスピンや転倒が目につくのは上図で示す様に、外壁に当たっての返り波による小さな△波(押し上げ波)となっている所へパワー走航で突っ込む為にコロリンとなる様ですので気を抜けないのです。しかし、セーブセーブで走っていては勝てません、追抜きを仕掛ける絶好のチャンスがターンマークとなるからです。

★シリーズチャンピオン戦を振り返って 《初めてのバンザイ》
2位以下を1週ラップしたのは13周位で達成でき2位の布施氏の後にピッタリとついて追抜きのスキをうかがったのですが、第1戦で優勝の関氏が転倒リタイヤしてい為、布施氏へのアドバイスで右に左に引き波攻撃初めたのです、おもしろいレース展開でした。
第3戦はパワーは見せてやるぞ・・・。

ガンコ オヤジより    

次回は京商FMR21こだわりの改造で楽しむを紹介します。


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